イギリスの高級スポーツカーメーカーの【アストンマーチン】は、6月24日にブランド初の二輪車「アストンマーチン AMB 001」のプロトタイプによる走行テストを開始したと発表しました。
このオートバイは同国の【ブラフスーペリア】と提携して共同開発されたもので、【ブラフスーペリア】はかつて“オートバイのロールスロイス”と称されるほどのカスタムメーカー(1940年に二輪車生産から撤退)だったことからも関心が大きいようです。
この「アストンマーチン AMB 001」はサーキット専用モデルであり、100台のみを限定生産する予定です。
そのデザインは“ミッドシップエンジンレイアウトのアストンマーチン車の新シリーズ”からインスピレーションを得たもので、スターリンググリーンとライムエッセンスのボディは『アストンマーチンレーシング』の伝統的なカラーリングだそうです。
搭載されるパワーユニットは排気量997ccのV型2気筒エンジンで、ターボチャージャーにより180hpの最高出力を発揮します。
この可変ジオメトリーターボはインタークーラーによって効率が高められているとともに、低慣性の最新ターボを採用していてターボラグが少ないのが特長なんだとか。
トランスミッションは6速で、【ドカティ】でも採用している「APTC(アドラー社製スリッパークラッチ)」を組み合わせています。
ブレーキシステムはレーシングブレーキのスペシャリストによって開発されたものであり、メーカーによると強力な制動力を発揮しています。またリアのスイングアームには「プログレッシブダンピングシステム」が組み込まれているそうです。
すべてのコンポーネントは、カーボンファイバー・チタン・ビレットアルミなどの軽量素材を使用していて、特別に設計されていますが、この軽量構造により車重は180kg(乾燥重量)に抑えられているから驚きです。
180hpの最高出力を発揮しながらも、たった180kgの車重しかないということは『フォーミュラ1』並みのパフォーマンスを持っているということになりますが、いずれは市販されるモデルになることを考えると恐ろしいほどのパフォーマンスを持っているオートバイになることでしょう。
プロトタイプによる走行テストは開発プロセスの最も重要な部分のひとつで、シャシーの仕上げに重点を置いたサーキットテストを行っているようで、エンジンのベンチテストも並行して行われており効率的に開発を進めています。
【アストンマーチン】のスポーツカーのエンジニアと同様に、テストライダーは「アストンマーチン AMB 001」のダイナミックテストを通じてコーナリング・ブレーキング・加速などパフォーマンスのすべての領域の性能を確認していくんだそうですが、さぞや凄い乗り味なのでしょうね。
このテストが完了すれば「アストンマーチン AMB 001」は今秋から限定100台を“ハンドメイド”する計画であり、その価格は10万8000ユーロ(約1300万円)ということですから【アストンマーチン】の高級スポーツカーと同様に庶民には手の届かない存在です。
今年中には顧客への納車を開始する予定だそうですが、私にはまったく縁のないオートバイとはいうものの、奇抜なスタイルがゆえに公道走行可能な市販モデルが登場するのは・・・ちょっぴり気になります♪