カワサキ(川崎重工業)の有志エンジニアと有志テストライダーからなる独立チーム『チーム38』は、8月11~17日に米ボンネビル・ソルトフラッツで開催された【ボンネビル・スピードウィーク】において、フラッグシップモデル「カワサキ Ninja H2」で世界最高速のクラス記録を樹立しています。
「カワサキ Ninja H2」は排気量998ccのスーパーチャージャージドエンジンを搭載したスーパーバイクで、エントリーしたのは“P-PB 1000クラス(排気量1000cc位下、過給機付きエンジン搭載の量産車種クラス)”です。
そこで出した記録が、209.442マイル/h(=337.064km/h)なんですが・・・とても速いです。
毎年8月に開催される【ボンネビル・スピードウィーク】では、四輪車と二輪車が最高速度の世界記録を競っています。
『チーム38』の「カワサキ Ninja H2」は14日に211.621マイル/h(=340.571km/h)を達成し、続く15日には反対方向で207.263マイル/h(=333.557km/h)を計測しました。
この2回の平均速度209.442マイル/h(337.064km/h)がクラス世界記録として認められたわけですが、300km/hを軽く超えてしまうなんて驚くほどのスピードです。
この「カワサキ Ninja H2」というオートバイは、川崎重工業グループの総力を結集して作られたフラッグシップモデルであり、スーパースポーツモデルの証である“Ninja”に、かつて強烈な加速力を誇った「カワサキ 750SSマッハⅣ」の“通称H2”をプラスした名前を持つ“特別な1台”です。
従来のスーパーチャージャー付きのエンジンとは異なり、スーパーチャージャーがエンジンと一体化されていることによりスーパーチャージャージドエンジンと称していて、車体のデザインなどにも航空宇宙等の技術を積極的に用いて開発されているところあたりに、川崎重工業グループの意気込みを感じます。
その最高出力は200psと控えめですが、競技専用モデルである「カワサキ Ninja H2R」では310psと驚異的な出力が発表されています。
また走行風による吸気圧が上昇するラムエア加速時にはさらに高いパワーを発揮することができ、「H2R」では326ps/14000rpm、「H2」でも210ps/10000rpmを発揮するそうです。
あくまでも特別な存在である「カワサキ Ninja H2」はエンジンだけでなく、いたるところにこだわりを多く感じられるスーパーバイクで、他のバイクとは異なりベルトコンベアを使わない専用ラインで製造されているんだとか。
また加速性能を勘案してシングルシート(乗車定員1名)としているのにも驚きますが、何よりも川崎重工業の中でも歴史的な意義を持つ製品にだけ与えられるとされている“リバーマーク(上の画像の右下にあるマーク/たぶん見覚えがあると思います!!)”がアッパーカウルやキーにデザインされているんですよ。
クルマでも200km/hを超えるようなスピードは出したことがない私としては、オートバイで337km/hなんて想像できません。
たかが100km/hを超えただけでもオートバイならば、道路に落ちている石ころ1つで人生が終わってしまいかねませんから、337km/hなんて私には縁のないスピードですし、残念いや幸運?!ながらそんなスピードの出るハイパワーなマシンに乗る機会もないと思います。
世間では何でも余裕があるに越したことはない・・・なんて言われますが、クルマやオートバイで走ることを楽しんでいる者の1人としては、余裕がありすぎて発揮できないようなパワーは必要性を感じませんで、非力ながら持てるすべてを発揮できそうなパワーこそがちょうど良いのではないかと思っています。
超高性能な「カワサキ Ninja H2」はカッコいいですし羨ましいですし憧れるところもありますが、私には小さめの排気量で“リッター100ps”くらいが好ましいと思っています♪